日本の億万長者でありZOZOTOWNの創業者でもある「前澤友作」さんの月面プロジェクト『dearMoon(ディアムーン)』が2023年に決行されます。
2022年の年末から2023年の年始にかけて、そのロケットに搭乗する8人とバックアップクルー2人の合計10人が選定されました。
今回はそのうちの一人であるリアノン・アダム氏について、どんな人で仕事は何をしているのか。どこの国の出身で年齢は何歳なのか。こうした詳細な情報をまとめてみました。
リアノン・アダム氏はどんな人?生い立ち~幼少期は船の上
リアノン・アダム氏は1985年にアイルランドのコーク州に生まれました。
アイルランドといえばイギリスの西側に位置する島ですよね。その最南端にコーク州があることになります。
ただリアノン・アダム氏はこの地で穏やかに暮らし成長してきたわけではなさそうです。
リアノン・アダム氏は両親とともに世界中を航海する遊牧民としての生活を強いられてきました。そのため「海の上で過ごす期間」がものすごく長かったといいます。
こうしたアイルランドの人の生き方を「アイリッシュ・トラベラー」と呼ぶそうです。
そして2006年の国勢調査ではアイリッシュ・トラべラーの人口は22,369人いるそうで、このうちの48.7%が0歳~17歳の子供だということですから、日本の感覚からすると驚いてしまいますよね。
ではトラベラーとして何をしているのかというと、簡単にいえば犬や羊など動物のブリーダーが主な仕事のようです。船などを駆使して様々な土地を巡り歩き、いろいろな人に会い、そこで収入を得ているというわけです。
ただ社会問題的にも厳しい部分が多く、トラべラーの80%は65歳になる前に亡くなっているという統計結果も出ているそうで、劣悪な環境化での労働が指摘されているといえます。
そのような過酷な環境の中で幼少期を過ごしたリアノン・アダム氏ですが、写真家として生きている今、逆にこうした当時の子供時代の経験や体験が大きく反映されていると答えています。
芸術家にとってこのような体験はとても貴重で、光の部分も闇の部分も両方ともに自分の作品に生かされるものがあるのでしょう。
ちなみに今回の前澤友作さんの「dear Moon」のミッション参加には、自分と同じように世界中を旅する船で過ごす過酷な人生を過ごす子供たちに「自分たちにもできるんだ!」とそう確信してほしい。という願いがこめられているそうです。
リアノン・アダム氏の学歴!大学生活は超優秀
リアノン・アダム氏は2つの大学に通っていました。ひとつはセントラル・セント・マーチンズ、そしてもう一つはイギリスの名門ケンブリッジ大学です。
それぞれの大学の詳細情報を確認していきましょう。
リアノン・アダム氏の大学「セントラル・セント・マーチンズ(CSM)」
そんなリアノン・アダム氏は、ロンドン芸術大学の中のひとつ「セントラル・セント・マーチンズ(CSM)」に通い、そこで「アートデザイン」を学びます。
ちなみにこのセントラル・セント・マーチンズは「QS世界大学ランキング2022年版の芸術部門で世界2位」に選ばれているほどの有名な大学です。この大学を出て有名になられた方は次のような方々ですね。
セントラル・セント・マーチンズ出身の著名人(デザイナー)
- アリス・テンパリー
- フィービー・ファイロ
- ジョン・ガリアーノ
- リカルド・ティッシ
- アレキサンダー・マックイーン
- ステラ・マッカートニー
- 栗原たお
- 江角泰俊
- 大原由梨佳
日本人の方もいらっしゃいますよね。
栗原たおさんは日本のブランド「タオ(元トリコ・コムデ・ギャルソン)」のデザイナーでもある方です。
江角泰俊さんは日本のファッションブランド「EZUMi」のデザイナーです。
大原由梨佳さんは「イン・プロセス・バイ・ホール・オーハラ」のファッションデザイナー。
このように多くの著名人を輩出している名門校ですが、やはり入学難易度は高いのでしょうか。
一般的には上位15%が合格するといわれており、大まかにその水準を日本に当てはめると、早稲田大学・慶応大学と同程度の学力になるかなというところ。
リアノン・アダム氏はこの大学でアートデザインを学習するわけですが、驚くべきことに更にケンブリッジ大学にも通っているのです。
リアノン・アダム氏の大学「ケンブリッジ大学」
このケンブリッジ大学こそ超難関の名門校ですよね。2022年の世界大学ランキングでは堂々の5位ですから。ちなみに日本の東大は35位ですから、その差は歴然!頭の中がバグってしまうレベルです。
一般的にアイリッシュ・トラベラーの子供たちは十分な教育を受けられずにいたとされているのですが、リアノン・アダム氏はどのように勉強をしてきたのでしょう。ここばかりは、現時点ではあまり明らかにはなっていないのですが、絶え間ない努力と芸術への渇望が生んだ奇跡とも呼べるものなのかもしれませんね。
ちなみにリアノン・アダム氏はケンブリッジ大学で英文学を専攻で学んだとされていますね。
このアートデザインという芸術の部門と、世界トップクラスの学問の部門の共有、これこそがリアノン・アダム氏の強みのひとつになっていることは間違いないでしょう。
リアノン・アダム氏の写真家としての実績経歴と作品
Some of Rhiannon Adam’s photography.. pic.twitter.com/luqQZOkUmk
— Joseph Gordon-Levitt (@hitRECordJoe) March 5, 2022
リアノン・アダム氏の写真家(フォトグラフィックアーティスト)としてのコンセプトとして、アート写真とソーシャルドキュメンタリーがあります。
その中でテーマは「気候変動」「社会的不正」「アウトサイダー」「コミュニティ」などに分かれており、それぞれ複雑な物語に焦点をあてています。
また彼女は神話にも興味が深く、ユートピア(理想郷)とディストピア(反理想郷)の狭間に興味をもっています。目に見えないものを捉えるために使用される時代遅れのポラロイド インスタントフィルムもまた、彼女の実践のひとつだといえるのでしょう。
また、リアノン・アダム氏はさまざまな大学や機関でワークショップを教えたり、講演を行ったりすることがよくあります。芸術家としての思想を伝える大事な機会ですよね。
リアノン・アダム氏は半生で次のような作品を残しています。
リアノン・アダム氏の作品紹介
①ドリームランド、ウェストランド
- 2014年に作成された本の作品です。英国人が頻繁に訪れる海辺のリゾートに関するもので、時代遅れのポラロイド インスタントフィルムを使用して作られています。
②ビッグフェンス・/ピトケアン島
- 2015 年にリアノン・アダム氏は王立地理学会と BBC の Radio 4 が運営する Journey of a Lifetime プログラムに選ばれました。ピトケアン諸島で3か月過ごし、これらの経験をもとにラジオ作品を作成しました。その本が2022年の作品「ビッグフェンス/ピトケアン島」です。
③POLAROID publisher:Thames & Hudson publication date
- 2017年にはポラロイド写真の実践方法などのガイドブックなるものを出版しています。
リアノン・アダム氏にとっての「dearMoon」月プロジェクトとは
今回の「dearMoon」のプロジェクトを、リアノン・アダム氏は「不可能な夢が叶うようなもの」という言葉で表現しました。
リアノン・アダム氏は混乱がうずまく社会の中、アドベンチャー精神を常に望んでいました。
そこに突如現れた前澤さんのdearMoonプロジェクト。出会った瞬間に「これはチャンスだ」と直感したそうです。
これまで遊牧民としても多くの場所で過ごしてきたという彼女にとって「宇宙」という最果ての地へのプロジェクトに応募することになんの抵抗もなかったといいます。
アイルランド人として初めて宇宙に行く。それはとても名誉なことであり。世界中を旅する船の上で育って来たリアノン・アダム氏は、同じような境遇の人にも「自分にもできる!」と確信してほしい。と言います。
ただ、今回のクルーの発表で一番初めに起きた感情は「恐怖」に違いない。しかしそれは、打ち上げ失敗のようなネガティブなものではなく、これから起こるであろう自分を取り巻く環境の変化に対してでした。
普段は匿名性が高い作品が多く、自分の作品の陰に隠れているのが好きというリアノン・アダム氏。このプロジェクトの影響で、その後の人生にもらたる現在との変化が最大の恐怖だと感じているのです。その恐怖心はワクワクする気持ち的と半々で分かち合う形で自分の中でぶつかりあっているのです。
今回のミッションは個人的にも、仕事的にもきっと大きな変化をもたらすはず。そしてしそれは自分たちの考え方や行動を変える大きな転機になるはずです。
永遠に生きることは不可能であり、だからこそ限られた一瞬の世界で可能な限り多くの体験や経験をしたい!その感情が自分を動かす原動力になっているといえます。
リアノン・アダム氏の出身や年齢などプロフィール情報
37-year old photographer Rhiannon Adam has beaten millions of applicants to secure a spot on a historic rocket mission to orbit the moon. Rhiannon, originally from Cork, Ireland is now based in London. She will become the first openly LGBTQ woman to go into space. pic.twitter.com/KDTvmhCAmd
— SteveWilson🏴#BLM #Resist #ReparationsNow 🐺 (@stevewil94) December 10, 2022
最後にリアノン・アダム氏のプロフィール情報をまとめておきます。
【リアノン・アダムのプロフィール情報】
名前 | リアノン・アダム |
英表記 | Rhiannon Adam |
生年月日 | 1985年 |
年齢 | 37歳(2022年現在) |
出身 | アイルランド(コーク州) |
居住地 | イギリス(ロンドンのハックニー) |
大学 | セントラル セント マーチンズ ケンブリッジ大学 |
職業 | 写真家・作家 |
著書 | Dreamlands Wastelands Big Fence / Pitcairn Island POLAROID publisher |
月プロジェクト | dearMoon唯一の女性クルー アイルランド人初の宇宙飛行士 |
まとめ
今回は前澤友作さんの月プロジェクトである「dearMoon」のクルーメンバーに選ばれたリアノン・アダム氏についてまとめましたがいかがでしたでしょうか。
劣悪な幼少期を過ごさざるをえなかった彼女ですが、その環境のなかで得るものは多かったといえるでしょう。そしてそれ以後の断続的な活躍が認められ、今回前澤友作さんの月プロジェクト「dearMoon」のクルーとして選定されました。
彼女が宇宙での暮らしをどう地球に反映してくれるのか楽しみです。
このプロジェクトでのSpaceXのロケット打ち上げは2023年中を予定しています。クルーはそれまでトレーニングに励むことになるでしょう。
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